MT-10SPと遊ぶ!

Road to 10万キロ

<前編>ステアリングステムベアリング、グリス交換

ステアリング ステムベアリングのグリスをオメガ57に変更しました<Frフォーク取り外しまで>

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 12月26日、寒波襲来予報でツーリングが中止となり、ステアリングステムベアリングのグリスを交換しました。作業自体はさほど難しくありませんが、メンテナンススタンドを使用しないでフロントタイヤを浮かせるのが、最大の難所だと思います。Vスト1050xtには、立派なエンジンガードがあります。このエンジンガード、車体との締結部がエンジンマウントと共締めやサイドスタンドandメインスタンドの付け根周辺にあるため安心感があります。

 まずはメインスタンドを立て、エンジンガード左右にジャッキを掛けます。少しずつ交互にジャッキを操作し、フロントタイヤを1~2センチ地面から浮かせます。

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 作業をしている我が家の駐車場は傾斜があり、車体が左下がりになってしまいます。ジャッキの調整で車体が平行になるように設置します。

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 きっちり平行が出ませんでしたがほどほどで進めます。

 ばね測りで現状の操舵力をチェックします。右操舵が5N、左操舵が3Nでした。車体の平行がきちんと出ていれば4Nの操舵力なんでしょう。サービスマニュアルでは2~5Nの範囲を推奨しています。製造ラインで組み立てられた結果の操舵力データです。規定範囲内で素晴らしいです。経験値がない私は、自分の感覚に頼れないので測れるものは測っておきます。
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 現状の操舵力が把握できたので、ジャッキを解いてもう一度バイクを地面に降ろします。トルクが高めのフロントアクスルやキャリパマウントボルトなどのトルクを抜いておきます。
 再びフロントタイヤを浮かせますが今度はエンジンガードの下にブロックを利用して馬とします。全くもって素晴らしい位置にエンジンガードが有ります。バイクが安定したかは念入りに確認が必要です。整備でバイクを倒したら、精神的ショックで仕事に行けなくなり、家族に迷惑を掛けてしまいます。

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 ブレーキキャリパを外して、フェンダからブレーキホースを外したいんですが、ホースクランプがフェンダ内側からしかアクセス出来ない構造です(下図_赤丸部)。f:id:Lu_PaPa:20211227060636j:plain
 Vスト650xtもまったく同じ構造で同じクリップでしたが、これって整備性が非常に悪いんですよ。ブレーキキャリパを外して清掃する時に、いちいちFrタイヤを外してフェンダ内側から爪を寝かせてブレーキホースを外すんです。

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 Frタイヤを外しました。下図は車体右側のカラーとダストシールの写真です。シールがカラーにしっかり密着し、カラーとの接触部には油脂成分が見られ、とても良好に組付けられています。このカラーの上をシールが回転していますので、油脂で潤滑されていることがとても重要なんです。
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 車体左側はカラーがなく、アクスルシャフトがカラーの役目も担います。シールのリップを観察しますと補助リップが二段あり、その奥にメインリップが見られます。リップの溝には油脂成分がきちんとあり、要所が守られている製造ラインの方々に感謝です。

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 Frホイールのダストシールのお話しですが、メーカーが荒井製作所、サイズが軸径32、外径52、幅7(mm)となります。この幅7mmが曲者です。JISやJASOの規格を外しています。軸径32、外径52の規格は幅8mmか11mmです。規格品であれば好みのメーカーで好みの種類のオイルシールをミスミや普通のネット通販で購入出来ます。
 また、ダストシールに記されている文字から補助リップ2段ばね無しタイプをSDDO型と呼ぶそうです。ホームページにはSDDO型の掲載がなく、SDD型のばね無しタイプですね。ばねを設けないのはコストダウンなんでしょうか?でも補助リップ2段構造も汎用性が低そうでコストがそれなりにかかっていそうです。バイクのダストシールは、このタイプが定番なんでしょうか。気になります。

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 話しが脱線してしまいましたが実作業も脱線しています。Frホイールのダストシールを外します。

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 自作ダストシールリムーバーです。シールを変形させることなく外すことができます。仮にシールが変形すると部品を買わないといけません。純正品番は“09285-32004”で一個400円(税込み)ぐらいします。絶妙な値付けでビビります。ミスミで補助リップ1段、ばね有りで幅8mmだと475円(税込み)です。

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 グリスの状態が良いので、安心してそのまま戻しました。
 Frフォークの内側が見れましたが凄く汚れています。パッドの摩耗粉やジーゼルエンジンのPMらしき物が大量に付着しています。立派なフェンダーが付いていたのでノーマークでしたが今後はマメに拭こうと思います。

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 Frフォークを外す前に突き出し量を計測します。1.1mmでした。もう片方は計測を忘れました。フォークを落とさないよう慎重にブラケットのボルトを緩めてフォークを抜きました。
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 長くなりましたので続きを後編で記します。お読みいただきありがとうございました。