MT-10SPと遊ぶ!

Road to 10万キロ

クイックシフター【試走編】

クイックシフターを試します。

f:id:Lu_PaPa:20220203062942j:plain

 前回で施工が完了したので、今回は実際に試した結果を記します。結論から先に言いますと、また一つおもちゃが増えました。

 目次にしてみます。

 

ミス配線によるエンジンダメージを考える

 エンジンを始動する前にデジタルタイマーの配線チェックは完了しました。しかしインジェクタ付け根のチェックは、燃料タンクを降ろさないと出来ません。いまさら面倒臭いので、誤配線した時のダメージを考え、どうするか決めます。

 

①前シリンダ(#1)と後シリンダ(#2)でインジェクタ配線がてれこになる。

 #1と#2をてれこに繋いだ場合・・・

f:id:Lu_PaPa:20220203064016p:plain

 噴射タイミングがクランク1回転ずれますね。  

 排気が完了して、吸気が始まるオーバーラップで噴射します。これだとエンジンに火は入りません。まぁー、インレットバルブが湿る程度のことで深刻なダメージは負わないでしょう。

 

ECU→タイマ→インジェクタの配線ルートがECU→インジェクタ→タイマに誤配線する。

 普通に噴射して、タイマの動作は無意味になります。エンジンには問題ないです。

 

③タイマ間で噴射信号のノイズが乗る。

 誤配線とは別問題ですが、電源と入力信号を直列に繋いでいるので有り得なくはないです。

f:id:Lu_PaPa:20220203065054p:plain

 深刻なダメージには至りませんが、燃費の悪化やインレットバルブのカーボン付着が懸念されます。地味ですが厄介な問題です。

 対処方法は、絶縁アンプ・アイソレーションアンプの類いをインジェクタ配線に追加しないといけません。

 運用後に燃費を見ていればすぐに分かるので祈るばかりです。

 

 と言うことで多少のミスでは、エンジンが簡単に壊れることは無さそうです。このまま次の工程に移ります。

 

エンジン始動とタイマ動作確認

 では恐怖の瞬間、エンジン始動です。

 キュルキュル、ドリュドリュドリュ。アイドリング安定で問題無しです。臭いも生臭い感じもしません。

 オルタが発電を開始し、電圧計が14.4Vになったのでタイマーに行く電源のトグルスイッチを入れます。電圧降下やライトが一瞬暗くなるなど、顕著な変化はなかったです。

 では、タイマーを動作させます。恐いので0.02秒から始めます。手でシフトペグを上に少し動かします。

 変化なし!?

 0.03秒、変化なし。あれ?

 0.04秒・・・、0.05秒、変化なし。げっ!

 タイマーに耳を近づけると、回路が切り替わる作動音「チッ」は聞きとることが出来ます。

 エンジンを停止して、一度落ち着きます。

f:id:Lu_PaPa:20220203205241p:plain

 アイドリング1200回転ぐらいですと、各気筒の噴射タイミングが0.1秒ごとになります。0.05秒噴射をカットしたところで、どちらかの気筒1回分の噴射をカットさせるだけです。この程度では、エンジン回転に影響しない、ということでしょう。

 タイマーを0.1秒にセットして同じことを繰り返します。今度はアイドリングの音が一瞬変わるのが分かります。0.1秒だと確実に2回噴射をカット出来ます。

 ドリュドリュドリュ・ド・ドリュドリュドリュ
(4発にはない、このドリュドリュ音が好きです)

 動作確認も無事に完了しました。

 

ついに実走行テストです

 何となくタイマーは0.05秒にセットして走り出します。暖機をしっかり行い、機が熟すのを待ちます。

 ほどよい直線路でアクセル開度を50%程度に開けたまま、エンジン5000回転で2速から3速にシフトア・・・

 

 シフトペグがピクリとも動きません。遊びってないの?ってぐらい動きません。

 

 入力信号が得られず失敗です。ハァー。素直に悲しいですね。ヤスリで地道にステーを削った日々が無駄になりました!

 

 社外や純正は、シフトアップの検出に揃いも揃って圧力センサーを使う意味がようやく理解できました。

 

プランB発動

 ストロークが必要な有接点スイッチ(安価)でシフトペダルの動きを検知するのは難しそうです。もう少しお金を出せば、感圧式センサをシフトペグの表面に取り付けることも出来ます。

 いかんせん、センサーを探す所から始めるので時間がかかります。

f:id:Lu_PaPa:20220203210847j:plain

 これがプランBです。ステーごとシフトレバーにタイラップ留めです。こんな気もしていたので、長めに配線を作っておきました。

f:id:Lu_PaPa:20220203210843j:plain

 スイッチの節度感も何となく気持ちよく、ポチっとするとエンジンが一瞬失火するんです。ちょっと楽しくなってしまいます。

 

再、実走テスト

 今度は良さげなので、少し足を延ばして郊外まで来ました。

 アクセル開度を50%ぐらいでシフトペグを軽く持ち上げる力を掛けたままにしておきます。

 ボタンをポチっとします。

 シフトペグが勝手に上に引き上げられ、振動を感じる暇もなくギヤが3速に変わります。

 同様にシフトペグに軽く持ち上げる力を掛けたままにしておき、程よい頃合いでポチっとします。

 またシフトペグが上に引き上げられ、ギヤが4速に変わります。

 驚くほど速度が乗ってしまい、逆に焦ります。

 いやはや、クイックシフターの滑らかなギヤの繋がりと、息つく暇を与えない速度の上がり方にただただ驚嘆するばかりです。

 ギヤが切り替わる時に、もっと振動や衝撃を感じるものと想像していました。回転が合っていないタイマー設定時間でも、極微小のショック?引っ掛かり?でギヤが上がっていきます。逆に回転が合うタイマー時間だと何のショックや引っ掛かりを感じないでギヤが変わります。ポチっとした瞬間に完了してしまうんです。

 

 まるでシームレス!?!?!?

(モトGPからパクリます)

 

 シフトペグにセンサーを仕込むより、ボタンでシフトが上がる方がギミック的に面白いです。今後はボタンの配置を決めて、さらに使い易いようにしていこうと思います。

 タイマーの設定時間のお話しも別途させてください。色々試す中で、とても奥深い世界が広がっておりました。

 

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。