クイックシフター化に伴い、燃料噴射カットの設定時間を考察します
私のVストは、クイックシフトの動作にOMRONのデジタルタイマーを使用しています。最小設定が0.001秒(1kHz)から可能で、売価5000円で本当?と思ってしまいます。
タイマーの信頼性
会社に0.00001秒(100kHz)間隔で計測できるデータロガーがあるので、まずタイマーの性能は抑えときます。
一番使用頻度が高そうな0.04秒設定で計測すると、ほぼ0.04秒なんです。有接点スイッチにはチャタリングという現象が発生するようです。
(好奇心がある方は、下のリンクをどーぞ。)
スイッチのチャタリングの概要。チャタリングを防止する方法 | マルツオンライン
ネットの情報通り、スイッチによるチャタリングが発生していました。
チャタリングの影響
このチャタリング中にインジェクタの通電期間が重なると、どーなるのか?が問題です。
下図に私の脳内イメージですが、インジェクタ内部構造を紹介します。Vストのインジェクタがこうなっているかは分かりませんが・・・
アーマチュアコイルに通電することで、プランジャがスプリングの反力に打ち勝ち、右へ移動します。プランジャと本体に隙間が出来て、燃料が噴射口へ流れます。
0.0001秒間でコイルにON、OFFと電気が流れても、スプリングの反力に打ち勝つほど磁界が発生せず、プランジャはピク、ピク程度の反応で済むでしょう。
話しが逸れましたが、タイマーの設定時間は信用でき、チャタリングも無視して良いことを確認しました。
タイマーの設定時間
1速から2速へはニュートラル通過があるので、クイックシフターは使いません。2速から使っていきたいです。
使用頻度が一番高い2速から3速の設定を煮詰めます。普通のツーリングでは、エンジン回転4500rpmぐらいでシフトアップしている気がします。この回転では、タイマーを0.086秒にすると、シームレスで良い感じです。
そのまま速度を上げ、エンジン回転4500rpmぐらいで3速から4速にシフトアップします。ん~、シームレスとは言えない振動が出ました。
エンジン回転は同じぐらいで上げているので、これはギヤ比の影響を受けているのでしょう。
シフトアップ時にギヤ比が与える影響
2速から3速に変速した時のエンジン回転の下がり具合と、3速から4速に変速した時のエンジン回転の下がり具合を把握する必要がありそうです。
まずは2速から3速にシフトアップ。
燃料噴射をカットして、エンジン回転を1007rpm落とさないといけません。0.086秒の燃料噴射カットがエンジン回転を1007rpm下がらせる絶妙な時間だったようです。
次に3速から4速
エンジン回転を819rpm下げれば良くなります。0.086秒だと200rpmほど下がりすぎていたんですね。その差分をショックとして体感していました。
他のギヤも見てみます。
4→5→6速は、だいぶタイトになってきました。ここをシームレスシフトにするには、タイマーを0.04秒とかが合いそうですね。
1速から2速は、もう論外と言えるほど回転数が違います。
クイックシフトの設定時間は難しい
分かってきたのが、エンジン回転×ギヤ段でタイマーの設定時間を分けて考える必要があるということです。要するに、MAP化が必要です。
こんな感じで運用出来れば無敵ですが・・・
無理なものは無理なので、一番使いそうなところにセットするしか手がないです。
結構、悲しい事実に気付かされました。。。トホホ
で思うのが、純正のクイックシフターはどーなっているのだろか?
ここまで合わせこんであれば、絶対買いですよね!!!
身内では、静岡県の哲さんが『スズキGSX‐S1000GT』に乗り換えが決定しているので、納車したら速攻で試させてもらうことにします。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。